空に あるという だれもつかめない 色のなかに
沈黙の姿をした ぼくの天使が 見える
苦しんだ数の 羽根は 透きとおるほども
哀しくて 羽ばたいた
友のいない 孤独な 鳥が
風を友として 青になるように ぼくは
空にあるという 尖頭の果てを
目指すほども 羽ばたいている
もう ぼくの飛跡は 見えないから
だれも あとを追わないし だれも 咎めない
ただ 氷の冷たさが ぼくの羽根を水晶にして
飛翔するものすべてを 落とす 空の 深い
青に 溶かして 深い 藍に 帰る
羽根は もうぼくの羽根ではないように 重く
美しく かがやく なみだ色に 帰り
天使が つかみえないものを つかんだように
空は ぼくの体を 包んで 堕ちて
深い 青で 鳥の心を 充たした
見えるものを 信じて 哀しみ
見えないものを まさぐる 日々は
空に似て 深い 藍が 溶け込んでいる
手を 伸ばすと 尖頭に 触れるように
冷たさが からだを 走る
ぼくの 羽根は 青いか
それとも すでに 腐り果て
空にあるという 深い みずうみに
藍に藍を さらに重ねた 青に
溶けて 浮遊するのか
ぼくの 空は そこに ある
空は ぼくのそばに ある
空に あるという ぼくの 青は
羽ばたいて 堕ちる ぼくの 想いmichinari
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