そのご婦人の薔薇園で出逢った人、
ぼくたちの永遠の、薔薇の師、
薔薇の詩人にして、薔薇の召人、
小川次郎さんだった。 ☆Rosa davurica var. alpestris/カラフトイバラ 原種
やさしい花と、やさしい香り…
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その薔薇のご婦人と、友人になり、
いくどかお尋ねしていた、ある日、
そのお庭で、ある人に出逢ったのです。 ☆Petite Lisette/プティトゥ・リゼットゥ
Damask Vibert 1817
愛すべき、可愛い、薔薇、
リゼットゥ。
ああ、香り、感じますか?
ぼくたちの求めていた、19世紀の薔薇は、
その庭では見られなかったけれども、
やさしいご婦人の、話される薔薇の物語に、
しばし時を忘れて、20世紀の薔薇たちに、
囲まれていたんだ… ☆Variegata de Bologna/ヴァリエガタ・ドゥ・ボローニャ
Bourbon Lodi-Bonfiglioli 1909
この薔薇が作られて、すでに100年以上経ったのですね。
オールドローズと言っても、差し支えないでしょう…
わたしたちが古薔薇(こそうび)を追い求めていたころは、
まだ100年も経っていず、
新しいオールドローズと呼んでいましたから。
その庭で見た、ハイブリッド・ティの数々は、
重ねの厚いものから、一重のもの、
年を経たつる薔薇や、アーチや、スクリーン…
なかには、20世紀前半の薔薇もあった。
重い首をかしげて、オペラピンクの輝きを、
夕の光のなかで、くすませていた… ☆Chapeau de Napoléon/シャポ・ドゥ・ナポレオン
Cristata/Crested Moss Centifolia Vibert 1826
1820年、スイスの女子修道院で栽培され続けてきた、
この薔薇を発見。
とさかのような萼片を持った薔薇として紹介。
ついにその日がやってきた。
ぼくたちはそのご婦人に、何かギフトをと思って、
庭の一輪の花を手折って行ったけれど、
その花がなんだったのか、もう忘れてしまった。
ただ、車止めの赤いつる薔薇が、
いつまでも印象に残っているんだ。 ☆Old Garden Roses~薔薇の花束
drawing by michianri~coloured pencil