
言いたいこともおさえ
嫉妬の火群らもかきけし
あなたの従姉弟でありたいぼくは
…そうきれいものでもない ぼくは
しかし 弱々しく讒言する
自らの脆弱を誇るように
でも あなたは赦すであろう
このしなびたエナジーの廃液を
…不信は募るだろうかmichianri
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はちと神さま 金子みすゞ
はちはお花のなかに、
お花はお庭のなかに、
お庭は土べいのなかに、
土べいは町のなかに、
町は日本のなかに、
日本は世界のなかに、
世界は神さまのなかに。
そうして、そうして、神さまは、
小ちゃなはちのなかに。(hitomi)金子みすゞ記念館
この日 あなたのことを 想って過ごした
ちいさな出来事も 少し おかしなめぐりあわせも
あなたの きらきら光る 耳のうぶ毛が
ぼくを導いて 雲があるという 階段へ
記されて 思い出すんだ
青や 黒や かがやきの逆説は
あなたの眼を ぼくが忘れるように
仕組まれている きっと
ぼくが 死んでしまわないように
あなたを 知ることは 許されなかった
想いが強くて 打ち消す作用に
あなたは
一片の かけらとなって 舞い降りる
舞い落ちて ぼくの手のひらに
空虚を 刻印したんだ
ぼくは
そっと 手のひらを 閉じた…michinari
星とたんぽぽ 金子みすゞ
青いお空のそこふかく、
海の小石のそのように、
夜がくるまでしずんでる、
昼のお星はめにみえぬ。
見えぬけれどもあるんだよ、
見えぬものでもあるんだよ。
ちってすがれたたんぽぽの、
かわらのすきに、だァまって、
春のくるまでかくれてる、
つよいその根はめにみえぬ。
見えぬけれどもあるんだよ、
見えぬものでもあるんだよ。 金子みすゞ記念館 (michinari)
雪は静かに降るものなのでしょうか
窓を開けたら 冷たい空気と
浮き上がり舞う白い雪
足跡も もう消えてしまい
暗闇に白いカーテンができた
時が少しずつ遅く過ぎ
もう一度
窓を開けることができたら
また 雪は静かに降るものなのでしょうか
sur
空に あるという だれもつかめない 色のなかに
沈黙の姿をした ぼくの天使が 見える
苦しんだ数の 羽根は 透きとおるほども
哀しくて 羽ばたいた
友のいない 孤独な 鳥が
風を友として 青になるように ぼくは
空にあるという 尖頭の果てを
目指すほども 羽ばたいている
もう ぼくの飛跡は 見えないから
だれも あとを追わないし だれも 咎めない
ただ 氷の冷たさが ぼくの羽根を水晶にして
飛翔するものすべてを 落とす 空の 深い
青に 溶かして 深い 藍に 帰る
羽根は もうぼくの羽根ではないように 重く
美しく かがやく なみだ色に 帰り
天使が つかみえないものを つかんだように
空は ぼくの体を 包んで 堕ちて
深い 青で 鳥の心を 充たした
見えるものを 信じて 哀しみ
見えないものを まさぐる 日々は
空に似て 深い 藍が 溶け込んでいる
手を 伸ばすと 尖頭に 触れるように
冷たさが からだを 走る
ぼくの 羽根は 青いか
それとも すでに 腐り果て
空にあるという 深い みずうみに
藍に藍を さらに重ねた 青に
溶けて 浮遊するのか
ぼくの 空は そこに ある
空は ぼくのそばに ある
空に あるという ぼくの 青は
羽ばたいて 堕ちる ぼくの 想いmichinari
いま ぼくに残されたものは
この指と この生命と (生命/いのち)
体の傷が割れて 泪が滲むけれども
冷たい風に 痛みが沁みて ぬけがらのように
いま ぼくに光るものは なにも見えない
泥なかに もぐりこんだ 虫がうごめく
あなたの力を 借りて 飛ぶ
鳥のように ぼくも 飛べる?
沈みすぎた 体は 重く
重い心は つぶれた蜘蛛
指のまに かける 生命は
あなたの声に 生きる 生きないを
からませる 指のまを 舌が這い
ぼくの苦しみを やわらげて
光が 降る 沼の底に
見える ぼくの …michinari